こんにちは。はまぞうです。
- 「メタバースで注目されている、Decentralandって何?」
- 「なんでみんな期待しているの?」
- 「何の価値があるのか、いまいちわからないよ」
このような疑問を持つ方に向けて、ゼロから分かりやすく解説していきます。
この記事で分かること
- Decentralandとは何か
- Decentralandが期待されている理由
- Decentralandが目指すプラットフォーム
- Decentralandが生み出した価値
- 参加者へのインセンティブ設計
- Decentralandの課題
Decentralandとは? ゼロから解説!
Decentralandの概要
Decentralandは、経済的弱者であるクリエイターを救う構造を持つプラットフォームです。
もう少し具体的に説明すると、メタバースにイーサリアムのブロックチェーン技術と分散型ファイルシステムを組合せて、中央に管理者やサーバーを置かないようにしたプラットフォームになります。
メタバース
メタバースは、インターネット上に作られた仮想の3D空間です。私たちは自分の分身であるアバターを使い、3D空間内で体験や交流ができます。
今後、VR技術の発展に伴い、より現実に近いレベルの体験をできる世界になっていくでしょう。
Decentralandの運営
特定の組織や人が意思決定をするのではなく、あらかじめ決められたプログラムで組織は運営されます。合議が必要な議題は、みんなで投票をして決める仕組みになっています。
Decentralandへの期待
Decentralandは、経済的弱者であるクリエイターを救う構造のプラットフォームを成立させたことで、既得権益に支配されたデジタル経済圏を壊してしまうほどの、大きなビジネスチャンスを作り出しました。
ここから先では、現状のクリエイターエコノミーの課題と、Decentralandが、なぜクリエイターを救うプラットフォームとして期待されているのかについて解説していきます。
クリエイターエコノミーの課題
デジタルマーケットでは、GAFAに代表されるプラットフォーマーが経済的強者で、コンテンツクリエイターが経済的弱者の構図になっており、クリエイターに十分な報酬が支払われていない課題があります。
プラットフォーマー
GAFAのように、SNS、ECサイト、デジタル端末ソフトウェアなどを提供している企業を指します。プラットフォーマーは、ネットワークを管理しクリエイターとユーザーをつなぐ重要な役割を果たしています。
クリエイター(動画配信者、EC店舗運営者、ゲーム制作者、アーティストなど)
コンテンツをプラットフォームに提供し、ユーザーに感動や体験を与えることで価値を生み出しています。
【プラットフォーマーの収益>クリエイターの収益】の理由
プラットフォーマーは、デジタルコンテンツ経済の上流部分で重要な役割を果たす一方、強大な権限を手に入れました。
手に入れた個人情報を利用して広告費を稼いだり、クリエイターが生み出した収益に多額の手数料をかけて、自分たちの利益を拡大しています。
クリエイターは上流側のプラットフォーマーが決めるルールに、従わざるを得ない状態になっています。
不平等な収益構図
ユーザーの感情を動かし収益を発生させているのは、コンテンツそのものでありプラットフォームではありません。
価値を生み出しているクリエイターが豊かになりにくい構図は、明らかに歪で不平等です。
GAFAも今の構造を変えられない
資本主義経済では自社の価値向上(株価向上)が一番優先される事項であり、クリエイターへ還元するインセンティブがほとんどありません。
つまり、企業である限り、クリエイターの収益よりも自社の利益を優先せざるを得ないのです。
Decentralandが目指すプラットフォーム
GAFAとは対極にあるプラットフォームを目指しています。
中央に管理する組織は存在せず、ネットワークを特定の人に管理されることはありません。
個人情報も管理されませんし、お金のやり取りに第3者を介すこともありません。
どうやってGAFAと対極になるプラットフォームを作ったのか
Decentralandは暗号技術を仮想空間に実装したことで、安全性、信頼性の担保されたコミュニティを中央管理者なしに運営できるようにしました。
さらに、ブロックチェーン技術、スマートコントラクト、DeFi、NFTなどの技術開発が進み、信頼性が高まったこともプラットフォームの基礎を固める大きな要素です。
今は提供するコンテンツの開発が進められています。SNSを見ると、3Dオブジェクトの制作やアプリケーションの開発に力を入れている人が多い。
イケハヤさんも土地の開発にビジネスチャンスを見出しています。
「ウェブサイト(ブログ含む)の売却」はかなり一般的ですが、メタバース時代には「開発した土地の売却」も一般化しそうですね。
「月間アクティブユーザー10万人のメタバース土地」には、莫大な価値が付くはず。— ikehaya-nft.eth | CryptoNinja (@IHayato) December 2, 2021
中央管理者にネットワークを制限されない理由
クリエイターがDecentraland内に作成した3Dグラフィックは分散型ファイルシステムに保存されるので、中央サーバー無しでメタバース内のコンテンツファイルが維持されます。
ユーザーが分散されたファイルを読み込むのにはP2Pサーバーを使うので、誰でもコンテンツを直接読み込めます。
サーバーの管理者が存在せず、ファイルも分散して保存されているので、第3者がコンテンツを制限することはできないようになっています。
第3者に個人情報を利用されない理由
プラットフォームを利用するユーザーを管理する必要がないので、ユーザーの個人情報を登録する必要はありません。
したがって、個人情報を第3者に利用されることもありません。
第3者に手数料を払う必要がない理由
Decentraland内の決済システムは、暗号通貨を使うので第3者を介さず直接取引ができます。よって、第3者に手数料を支払う必要がありません。
Decentralandがクリエイターを救う理由のまとめ
ここまで、Decentralandが管理者を必要としないプラットフォームを実現したことについて説明してきました。
Decentralandのプラットフォームには中央で管理する組織がないので、コンテンツや決済に手数料が発生しません(もしくはごく小額で済む)。クリエイターに十分な報酬が支払われない構図が打破されることを期待されています。
とはいえ、良質なプラットフォームであったとしても、発展、維持していくためには積極的な参加者を集める必要があります。
次に、Decentralandが生み出した価値について説明し、参加者へのインセンティブをどうやって付与しているのかを解説していきます。
Decentralandが生み出した価値
Decentralandは、メタバースに暗号技術を組み合わせることで、土地という概念を生み出しました。土地は供給量が決まっていて、需要が高まれば希少性が付与されます。
Decentralandはメタバース内に土地という概念と価値を生んだ
Decentralandはメタバース上に大きな空間を作り、区画にわけることで、個人が自分自身の空間を所有できるようにしました。
所有権は「LAND」というNFTを購入することで証明できます。
どの座標の土地を、誰が持っているか(ウォレットアドレスで示される)がブロックチェーンに記録されるので、自分の土地であることを証明できます。
もちろん、他者に勝手に使われたり、奪われる心配はありません。
Decentralandでは、メタバース内の「自分自身が所有する空間」を、現実世界の「土地」に例えています。
有限の空間が土地を所有する価値を生んでいる
土地の数には制限があり、供給量一定に対して需要が高まれば価値の向上が見込めます。
また、人が多く集まる地域は希少性が高まるので、土地の賃貸、販売といった2次流通市場も発生しています。
逆に、人を集めたい地主と魅力的なコンテンツ制作の技術をもつクリエイターをつなぐ、デベロッパーのようなビジネスも生まれてきています。
メタバース内に土地という概念が生まれたことで、大きなビジネスチャンスが発生しています。
隣接した土地がクリエイターとユーザーを結びつける
隣接した土地には相互作用が生まれます。
Decentraland内にはさまざまなテーマに特化したエリアがあるので、ユーザーは目的のサービスを見つけやすくなっている。
クリエイターも自分のテーマに沿った地域にコンテンツを展開することで集客がしやすくなります。
まとまった区画を買い占めて、大きな商業施設のようなコミュニティを作ることも可能です。
どう活用するかはアイデア次第で、これからは思いつきもしなかったビジネスモデルが出てくるかもしれませんね。
ユーザーの体験がより深いものになる
ユーザーはアバター(仮想空間内に作る自分の分身)を操作することで、街をブラブラする感覚でメタバース内を楽しみます。
アバターの容姿は自分の好みに変えられますし、仮想空間なので人目を気にせず自分の価値観を表現できます。
現実世界とは全く異なる次元の体験ができ、得られる満足度は間違いなく高まっていくと私は思いました。
NFTを仮想空間に応用
NFTのアイテムでおしゃれを楽しんだり、特定のエリアに入る為の会員権になったり、融資を受けられたり、アバターが本物か証明する持ち物になったり、非代替性の証明がメタバース内でも重要な役割を果たします。
NFTを作るクリエイターにも、大きなビジネスチャンスが期待できますね。
出典:Decentraland
Decentraland内の通貨「MANAトークン」
MANAトークンはDecentraland内の価値をやり取りする際に使われる暗号通貨です。
土地である、LANDを購入するのに使われます。
他に、Decentraland内でアイテムを買ったり、サービスへの課金をしたり、経済活動するのにも使われます。
MANAトークンは参加者へのインセンティブになる
ネットワークの価値が高まれば、MANAの需要も高まり価格が上昇します。最初からリスクを取って参加している人ほど、上昇割合が大きくなるインセンティブがあります。
クリエイターやデベロッパーへのインセンティブにもMANAが使われる
Decentraland内で、定期的にコンテストが開催されます。ランキング上位に入ると、豪華賞品が手に入る仕組みです。
クリエイターやデベロッパーにとっての、インセンティブになっています。
2021年2月に行われたビルダー向けのコンテストの1位の賞品は「Landと約25万円分のMANA」でした。
Decentralandの課題
コンテンツを維持するP2Pネットワーク
P2Pネットワークの課題は2つあります。
- コンテンツのダウンロード速度が遅い
- ネットワーク上にコンテンツを消失させず、十分に分散できるか
Filecoinのプロトコルに期待
Filecoinは時価総額ランキング30位代の比較的大きいプロジェクトです。
サーバーを提供する人にインセンティブを与えて、ネットワークを拡大、維持するシステムを開発しています。
今後の技術開発状況を注視していきたいですね。
スクリプティング
ユーザーに安全で利便性の高いサービスを提供するには、スクリプト開発が重要です。
Decentralandのスクリプト言語は、幅広い機能を扱うように設計される予定です。
ユーザーの利便性はどんどん向上していくことが見込まれます。
もちろん、たくさんの開発者に参加してもらうため、使いやすいスクリプト言語の構築を課題としています。
また、ユーザーが安心して決済サービスを使うために、Decentralandが公開するAPIは、十分な安全性を備えていなければなりません。
安全性は決済サービスの最重要ポイントなので、コツコツ実績を積んでいってもらいたいですね。
情報の整理と選別
分散型ネットワークのコンテンツには制限をかけられないので、大人向けのコンテンツや過激な情報を提供するサービスであっても、誰でもアクセスできてしまいます。
これを防ぐためには、情報を整理して選別するしかありません。
しかし、ユーザー側に大きな負担がかかるので、Decentralandの満足度が下がる原因になります。
今後ユーザー側が安心して、便利にコンテンツへアクセスできるサービスへのニーズが高まっていくでしょう。
ウィルスソフトのように、自動的にアクセスするコンテンツに制限をかけてくれるアプリケーションが出てくると思います。
また、駅前にある観光案内所のような、情報をカテゴリーごとに分けて、有益な情報にサクッとアクセスできるサービスが生まれてくるでしょう。
まとめ
最後にまとめます。
- Decentralandは、メタバースに暗号技術と分散型ファイルシステムを実装したことで、中央管理者のいらないプラットフォームを開発した。
- これまでのクリエイターエコノミーの課題であった、【プラットフォーマーの収益>クリエイターの収益】の解決を期待されている。
- メタバースに不動産的価値を生み出し、今後開発が進めば、もっとたくさんの人を集客できるプラットフォームになる。
- すでに、現実世界のようなビジネスが仮想空間内に生まれてきており、今後は思いつきもしなかったビジネスが生まれてくる。
- 独自の暗号通貨であるMANAトークンが、Decentralandを開発する参加者へのインセンティブになるよう設計されている。
- 主な課題は、P2Pネットワーク、スクリプト開発、情報の整理と選別の3つ。今後の発展に期待。
今後、メタバースに大きなビジネスチャンスが来ると感じています。
Decentralandの発展に目が離せませんね。
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